こんにちは。巫女の岩瀬愛梨です。
今日は涼しい過ごしやすい日となりましたが、まだまだ暑い時間帯もあり、本殿裏では黒猫が日陰で涼んでおりました(*^_^*)
どこにいるのかな?
先日は『全国熊野会』が行われたということで、神様紹介ではなく、熊野神社に関する物語の紹介をいたします。
皆様は『熊野の本地』というお話をご存知でしょうか?
『熊野の本地』とは室町時代の中期に成立した『御伽草子』に収められている物語です。
『熊野の本地』は「本地物」に分類されます。
「本地物」とは本地垂迹説(神は仏の化身である)という思想に基づき、神や仏の本縁(人間時代)や社寺の由来などを説いたものです。
つまり、『熊野の本地』は熊野神社に祀られている神様が人間であったときの物語になります。
そのあらすじはというと・・・
天竺に善財王という王様がいました。善財王には千人の妃がおりましたが、その中の一人五衰殿の女御という妃は一番の醜女でした。王はこの妃のところには通うことなく放っており、妃の住む御殿も荒れ果てておりました。
妃は「これは過去の宿業であり、悲しいけれど仕方のないことだ」とお思いになりましたが、千手観音を迎え祈ったところ、妃は生まれ変わりを経ず、その身のままに美貌を備えた金色の身体となりました。
そして仏様のお導きでしょうか、王様はこの妃の元へ行幸されました。王様は妃の姿を見て大変驚き、妃がただひたすら仏に念じていたことを知ると、この妃だけを寵愛するようになりました。
そして、王様はこの妃との子どもが欲しくなり、仏に祈ったところ、妃は懐妊なされました。とてもめでたいことでしたが、これに嫉妬したのが他の999人の妃たちです。あの手この手で妃を陥れようとします。
妃はどうなってしまうのでしょうか、そしてこれがどう熊野神社につながるのか、興味がありましたらぜひ『熊野の本地』をご覧ください!
もう八月も残すところあと一日、八月の縁守りに入っている百日紅もまだまだ綺麗な花を咲かせております。
いつまで夏の綺麗な花を楽しめるかわかりませんが、実りの秋も楽しみです(^○^)