こんにちは。
巫女の岩瀬愛梨です。
本日は風が強かったですね。
風が強くなると、いよいよ冬だな~という感じがします(笑)
境内では、ピンク色の山茶花が多く咲いておりますが、白い山茶花も咲き始めました。
白い山茶花は聖天宮の前の階段脇に咲いております。蕾も多くありましたので、これから徐々に大輪の花を咲かせてくれると思います。
さて、本日は地鎮祭で行われる「地鎮の儀(とこしずめのぎ)」の昔と今の儀式の違いについてお話ししたいと思います。
まず、地鎮の儀とは家づくりに関わる人が工事を儀式化した作法で行うことにより安全を祈願するものです。
現代の地鎮祭では現場がすでに整地されていることが多いですが、昔は荒れた土地の草刈りをして平地にするために切り崩して均す作業がありました。
これらを簡略化したのが地鎮の儀です。
まず、祭壇近くに盛られた小さな砂山にその土地に生えている草を立てます。
鎌入れ、鍬入れ、鋤入れを行います。
基本的には鎌入れをお施主様に、鍬入れ、鋤入れを施工会社の方に行っていただくことが多いですが、鎌入れと鍬入れのみや、鎌入れと鍬入れをお施主様にやっていただくなど変わることもあります。
それぞれ、道具を受け取ったら神前に出て一礼をして頂き、「えいえいえい!」と掛け声をかけ、鎌入れでは草を刈り、鍬入れでは砂山を崩し、鋤入れでは平らに均します。終わったらまた神前で一礼して頂いて終わります。
昔の地鎮の儀は少し違います。
まず草刈初(くさかりぞめ)の儀を行います。
行うのは童女一名です。祭員などの介助者を伴い神前に進み、介助者から忌鎌を受け取り、草刈りの所作を三回行います。
次に行うのは穿初の儀です。同じく童女一名が介助者を伴って神前に進み、介助者から忌鍬を受け取り、穿初の所作を三回行います。
昔はこの二つだけで、鋤入れの儀が行われず、また行うのも童女だったんですね。
このように昔と今を比べてみると同じ所や違う所が見えてとても面白いですね。