カテゴリー別アーカイブ: 薀蓄。考察

今月の神様、菊理媛神(くくりひめのかみ)をご紹介致します。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

本日はどんよりとした天気で、雨が降る時間帯もありました。

本日は朝からお祓いの神事や地鎮祭に随行させて頂きました。

驚きですが、準備段階では雨が降り、神事の間は雨が止み、神事が終わるとまた雨が降りだすという状態が起こりました。

雨が強くならずに無事に神事を執り納められ良かったです。

さて、今月の神様御朱印は菊理媛神(くくりひめのかみ)です。

どんな神様ですかと聞かれることが多いので、ご紹介したいと思います。

菊理媛神は「古事記」や「日本書紀」本文には登場しません。

「日本書紀」の一書に一度だけ出てきます。

なので、あまり聞いたことのない神様だと思います。

伊邪那岐神(イザナギノカミ)は神産みで命を落とした伊邪那美神(イザナミノカミ)に会いに黄泉の国を訪問しますが、伊邪那美神の変わり果てた姿を見て逃げ出します。

しかし、黄泉比良坂(よもつひらさか)で伊邪那美神に追いつかれ、口論になります。

この時に泉守道者(よもつちもりびと)が現れ、伊邪那美神の言葉を取次ぎ、「一緒に帰ることはできない」と申し上げ、続いて現れた菊理媛神が何か言うと、伊邪那岐神はそれを褒め、帰って行った、というのが菊理媛神が出てくる場面です。

この説話から菊理媛神は伊邪那岐神と伊邪那美神を仲直りさせたとして、縁結びの神様とされています。

菊理媛神(くくりひめのかみ)の名の「くくり」は「括り」の意味で伊邪那岐神と伊邪那美神の仲を取り持ったことから、また菊花の古名を久々(くく)としたことから「括る」に菊の漢字をあてたなど、様々な説があります。

菊理媛神は本殿に祀られております。

本日は菊理媛神をご紹介致しました。

本日、一粒万倍日です。晴れたり曇ったりと不安定な天気ながら、沢山の方にお参り頂きました。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

本日の空は雲が沢山出てましたね。暗くなったり、晴れたり、部分的に雨が降ったりもしました。

そして、本日前々からお話しておりましたが、一粒万倍日です。

旧暦七月の子の日です。

以前、節切りで区切った月の中の決まった干支の日が一粒万倍日になることをお話致しました。

現在、立秋(七月節)~の期間ですので子・未の日が一粒万倍日になります。下の画像をご覧ください。

次の一粒万倍日は明々後日の9月9日です。八月節が始まりますので、今度は卯・申の日が一粒万倍日になります。丁度、重陽の節句でもありますね。

そして、一粒万倍日は選日のひとつです。

選日とは、暦注の中で六曜・七曜・十二直・二十八宿・九星・暦注下段以外のもの総称です。雑注とも言います。

選日には八専・十方暮・不成就日・天一天上・三隣亡・三伏・一粒万倍日・犯土(大土・小土)・騰日などがあります。

そのほとんどは十干十二支の組み合わせによってその日の吉凶を占うものです。

神社などの暦には色々詳しく書かれておりますので、隅々まで読んでいただくととても面白いと思います。

本日は雨が降ったり止んだりと安定しない天気でしたね。本日は一粒万倍日についてお話致します。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

本日は雨が降ったり止んだりと落ち着かない天気ですね。

さて、昨日は天赦日の話を致しました。

本日は一粒万倍日のお話です。

一粒万倍日には選日のひとつです。

「一粒万倍」とは、一粒の籾が万倍にも実る稲穂になるという意味です。

そのため、一粒万倍日は習い事を始めるのにいい日となっています。

反対に人から何かを借りたり、他人を攻撃することもトラブルが万倍になるので凶とされています。

一粒万倍日は吉日と重なると効果が倍増し、凶日と重なると半減すると言われています。

天赦日の決め方は季節ごとに変わっておりましたが、一粒万倍日の決め方は、月ごとに変わります。

正月は丑・午の日

二月は酉・寅の日

三月は子・卯の日

四月は卯・辰の日

五月は巳・午の日

六月は酉・午の日

七月は子・未の日

八月は卯・申の日

九月は酉・午の日

十月は酉・戌の日

十一月は亥・子の日

十二月は卯・子の日

ちなみにこの場合の月は旧暦の月とも新暦の月とも異なります。

旧暦の月は月の満ち欠けで一か月が決まりますが、こちらは二十四節気を基準に一か月が決まっています。

二十四節気のお話をした際に節気・中気があったと思います。

節気は立春・啓蟄・清明・立夏・芒種・小暑・立秋・白露・寒露・立冬・大雪・小寒です。

この節気から次の節気の前日までを一か月とする区切り方を「節切り」、その月を「節月」といいます。

節月の場合、正月は立春~啓蟄の前日までの期間となります。

その中の丑・午の日が一粒万倍日となるわけです。

暦を見ると、大体一つの干支が月に2~3回回ってきます。それが二つあるので、月によって一粒万倍日は4~6日あります。

次回の一粒万倍日は9月6日です。

長くなりましたが、一粒万倍日についてお話致しました。

 

百日紅が綺麗に咲いております。ほんの少し気温が下がってきたためでしょうか。そして本日、天赦日です。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

本日9月2日は「天赦日(てんしゃび)」です!

天赦日とは、神が天に昇る日で、天が地上の万物を養い、その罪を許す日です。

暦の上では最上の吉日であり、年に5~6回しかありません(2020年は7回)。結婚・引っ越し・旅行など、何をやっても吉の日です。

また天赦日に一粒万倍日が重なるともっと良い日になります。

今年の天赦日と一粒万倍日が重なっていたのは1月22日と6月20日です。

ちなみに次の天赦日は11月1日で、次の一粒万倍日は9月6日です。一粒万倍日はひと月に4~6回ほどあります。

そして天赦日と一粒万倍日が重なるのは、2021年1月16日です。

ちなみに、この天赦日は季節と日の干支で決まります。

立春から立夏の前日までは「戊寅(つちのえとら)の日」、立夏から立秋の前日までは「甲午(きのえうま)の日」、立秋から立冬の前日までは「戊申(つちのえさる)の日」、立冬から立春の前日までは「甲子(きのえね)の日」です。

現在は立秋を過ぎていますので、「戊申」の日が天赦日にあたるのですね。

天赦日にきちんとした決め方があったとは知りませんでした。

一粒万倍日にもきちんとした決め方があるようなので調べてみたいと思います。

 

 

本日は土用の入りです。土用に関する風習はたくさんあります。その一部をご紹介致します。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

本日7月19日は土用の入りです。

土用とは五行に由来する暦の雑節です。

土用は、土用の丑の日ということで夏の季節を思い浮かべる方も多いと思いますが、各季節にあります。

五行は木火土金水の事です。そして、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を当てはめ、残った土気は季節の変わり目に割り当てられました。

季節の始まりである立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間が土用の期間になります。それぞれ冬土用、春土用、夏土用、秋土用といい、土用の最初の日を「土用の入り」、最終日を「土用明け」といいます。土用の最終日は節分です。

立秋前の夏土用の入りが本日というわけです。この期間を「暑中」言い、と暑中見舞いを出す時期でもあります。

また、夏土用に入って3日目が晴れれば豊作、雨が降れば凶作という占いもあるそうです。これを「土用三郎(どようさぶろう)」といいます。

この夏土用の時期に「土用干し」が行われます。

土用干しは主に三種類あります。

①衣服や書物をカビや虫の害から守る為に風を通して陰干しすること。

②水田に水を入れず、土をひび割れ状態にすること。雑菌の繁殖を抑える、健康な根が良く張るようにするためなどの効果があります。

③六月ころに収穫し塩漬けにした梅を梅雨明け後に三日ほど日干しすること。

①の風習は漢の時代にはすでに行われ、日本では7月7日の七夕祭(乞巧奠)に虫干しを行えば虫が生じないとされ、江戸時代には年中行事の一つとして行われるほど重要なことでもありました。

この時期は雨が続き湿気も多いため、特に貴重な衣服や書物を守る為には大事な行事だったようですね。

本日は土用についてお話致しました。

以前、旧暦についてお話致しました。今回は閏月について考察してみます。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

少し日にちが空きましたが、また暦についてお話していきたいと思います。

以前にもお話ししたと通り、今年は閏月がある年です。

5月23日から6月20日まで閏4月でした。

今回はどのように閏月が決められているのかについて考察したいと思います。

まず、現在でも一か月が30日の月や31日の月があるように、旧暦でもひと月が29日または30日と決められていました。

現在では2・4・6・9・11月が31日ではない月になります。これを「小の月」と言い、反対にひと月が31日ある月を「大の月」と言います。

旧暦でもひと月が29日ある月を「小の月」、30日ある月を「大の月」と呼んでいました。

例として、今年の暦を見てみます。1月はまだ旧暦12月で25日に旧正月となります。その前日は30日、つまり旧12月は30日(大の月)であることが分かります。

その他、今年の大小の月は以下の表のようになっております。(旧11月以降は暦がないため不明です。)

旧正月旧二月旧三月旧四月旧閏四月旧五月旧六月旧七月旧八月旧九月旧十月

そして、以前のブログでもご紹介したように、中気が何になるかによって月が決定します。青で囲ってある部分が旧4月です。4月中気にあたる小満があります。

そして、旧5月に入ってから5月の中気である夏至があります。(紫の線の部分です。)よって、赤い線の部分には中気は何も含まれていないことが分かります。

よって、旧4月の後、旧5月の前の期間は閏月にあたり、4月の続きということから閏4月になるということでしょうか。

ここまでどのように閏月が決められているのかを考察してみましたが、難しいですね。

大小の基準についてが少し曖昧なので、また機会があったら考えてみたいと思います。

今回は閏月がどのように決められているのかを考察してみました。

強い雨が降りましたね。二十四節気についての続きをお話しいたします。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

午前中はとても暑かったですが、午後になると急に風が強くなり雨が降りはじめました。

前回の二十四節気の話の続きです。前回は二十四節気の完成図を起こしませんでしたので、簡単な図を起こしてみました。

このようになります。

これを季節ごとに分けるとこうなります。四角く囲ってあるのが季節の始まりです。

こうしてみると、一つの季節から次の季節までに六つの節気があります。

これらは、「節(せつ)または節気」と「中(ちゅう)または中気」が交互に配されております。

月名正月二月三月四月五月六月七月八月九月十月十一月十二月

節気

立春啓蟄清明立夏芒種小暑立秋白露寒露立冬大雪小寒
中気雨水春分穀雨小満夏至大暑処暑秋分霜降小雪冬至大寒

どちらかというと、中(中気)に重きがおかれたようです。

なぜなら、中気を暦の基準とし、月のうちに含まれる中気が何かによって月の名前を決めていたからです。例:雨水を含む月が正月(一月)、大暑を含む月が六月

これは太陰太陽暦(旧暦)では閏月を設ける基準となっていました。

月の満ち欠けによる12か月の日数(太陰暦の一年)は、二十四節気が一巡する日数(太陽暦の一年)よりも約11日短いので、そのまま暦を使用すると日付にズレを生じ続けます。このずれが重なると中気を含まない月が現れるため、その月を閏月とするそうです。

今年は丁度閏月がありますので、今度暦を見てどのようになっているか確認したいと思います。

久しぶりに二十四節気についてきちんと調べてみました。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

一昨日、6月5日は二十四節気「芒種」です。

「芒種」にはのぎ、稲でいう籾殻にあるとげのような突起を持った植物の種を蒔くころという意味があります。

七十二候は初候「蟷螂生」(とうろうしょうず)です。蟷螂(カマキリ)が生まれ出るという意味です。

神社に居て新暦、旧暦、二十四節気、七十二候などを気を付けてみていると、逆に二十四節気についてわからなくなりましたので、もう一度きちんとその成り立ちを調べてみました。

二十四節気は平安時代から使われている暦の事で、元々は古代中国で農業の目安として作られました。

古代中国では暦として月の満ち欠けに基づいた「太陰暦」が使われておりましたが、実際の季節とズレが生じてしまいます。

そこで、太陽の位置をもとに一年を24等分した「二十四節気」やそれをさらに約5日ごとに分割した「七十二候」がつくられ、季節の変化を捉えて農事に生かしました。

もっと詳しく見てみますと、太陽が移動する天球上の道を黄道といい、この黄道を二十四等分したものが二十四節気です。

まず、黄道を夏至、冬至の「二至」で二等分し、春分と秋分の「二分」で四等分、これらはそれぞれの季節の真ん中となります。

そしてそれぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬の「四立」をいれて「八節」とします。これらはそれぞれ季節の始まりとなります。

この八節は一つの節が約45日。これを15日ごとに三等分したものが二十四節気です。

旧暦は月の満ち欠けをもとに作られ、二十四節気は太陽の動きをもとにしているということが一番の違いですね。

二十四節気はざっくりとここから春!ここから夏!と定めているため、実際の気候に違いが生じます。

また、作られたのが中国である為、日本との気候も違うことが二十四節気と実際の気候にズレが生じている理由ではないかとされています。

また、二十四節気は毎年同じというわけではありません。例えば立春ですが、2020(令和2年)は2月4日が立春でした。豆まきをする節分は2月3日です。

私はこの豆まきをする節分が2月3日だという印象が強いです。しかし、来年は2月3日が立春で節分は2月2日となります。

色々調べてみるとわかったこともあり、複雑なこともあり…、より興味深く思いました。

 

二日ほど過ぎましたが、七十二候「紅花栄う」についてお話します。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

 

5月26日より七十二候が紅花栄(ベニバナさかう)になりました。意味は「紅花が盛んに咲く」です。

ベニバナは古来染料として使われておりました。着物だけではなく、口紅の原料にもなっています。

雅称「末摘花(すえつむはな)」と言います。

「末摘花」と聞くと、『源氏物語』を思い出しますね。

『源氏物語』には「末摘花」という女性が登場します。

「末摘花」はあだ名であり、彼女の鼻が赤いことと、紅花の花が紅いことをかけたものです。

美人ではないとされておりますが、純真な心を持ち、源氏に忘れられていた間も一途に源氏を信じて待ち続けました。それに感動した源氏により、妻の一人して迎えられ、晩年を平穏に過ごしたということです。

そして、紅花栄の紅花は染料につかわれるベニバナのことではないという説があるそうです。なぜなら、ベニバナは開花が六月下旬から七月上旬となります。五月末頃に紅花が盛んに咲く状態ではないわけです。

松尾芭蕉の『奥の細道』でもベニバナを詠んだ俳句がありますが、詠まれた時期を現在の暦に換算すると七月中頃だそうです。

では紅花は何の花を指すのでしょうか。

五月末に見頃となる赤い花に当てはまる花はサツキツツジだそうです。一般には「サツキ」と呼ばれます。

確かに境内でも赤い花が咲いております。

ツツジかサツキかわかりませんでしたが、葉が小さく、この五月下旬に咲いているこの花はサツキのようですね。

本日は七十二候「紅花栄う」についてお話致しました。

境内に吹く風が暖かく、気持ちの良い天気となりました。境内の桃の実は日の光を浴びて少しずつ大きくなってきております。

こんにちは。

巫女の岩瀬愛梨です。

気持ちの良い天気ですね。

オオデマリの花は大部分が散り、わずかな花びらが残る形となっております。

散った後も雪の結晶のような形をしていて可愛らしいです。

オオデマリは花が密集しているので、全体での形や色に圧倒されますが、花が少なくなると花びら一つ一つの形がはっきり見えて、また別の楽しみ方ができますね。

さて、本日も朝から出張神事に随行させて頂きました。

一昨日も丁度大安でしたので、何件か出張神事に随行させて頂きました。

一部ご紹介致します。

まず、下田島町にて地鎮祭がありました。施工会社は㈱ココランドスケープ様です。

次に藤阿久町にて地鎮祭がありました。施工会社はファイブイズホーム様です。

神事を執り納められた皆さま、おめでとうございます。

最後に、本日お客様から「拝殿の正面にある石の柱、穴が空いていますが、あれは何ですか」との質問を受けましたので調べてみました。

調べたところ注連石(しめいし)というものだと思われます。

二本の注連石の間に注連縄を張ったものを注連柱(しめばしら)と言います。

注連柱は鳥居の原点とも言われ、主に聖域を分け示すためのものだそうです。

この石柱には文字が書いてあるようですが、下の方の「氏」「中」しか認識できませんので何と書いてあるかは不明です。

ですが、実際に注連石であった場合、石に彫られた文字は宣揚文(せんようぶん)といい、五穀豊穣、国家繁栄の祈願、神社改築などの内容が記載されるようです。

また機会がありましたら、文字の解読をしてみたいと思います(#^.^#)